top of page

PBL学習を導入している大学の事例~PBL学習とその成果とは~

PBLとは?


PBL(Project Based Learning)は、自ら問題や、課題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育方法であり、学生が主体的に学ぶアクティブ・ラーニングの一種とされています。

日本語では「問題解決型学習」などとも呼ばれています。


受け身で学ぶ従来の授業方式の学習法とは異なり、学生が主体的に学ぶことにより、インプット・アウトプットの質が向上し、学力の向上にも繋がると考えられています。


そのため、近年では多くの大学に注目され、すでに導入している大学も少なくありません。



PBLについてさらに詳しく知りたい方はコチラ



大学導入事例


そこで今回は、導入している4つの大学と、実践例、その成果について紹介したいと思います。

 

小樽商科大学


小樽商科大学では、小樽を始めとする地域の自治体や民間企業と連携し、実社会の課題と結びつける実践体験型のPBL学習を行っています。

このPBLでは希望に応じて2つのコースから内容を選択できます。


学生自身が課題を設定・提案して取り組む「提案課題型」コース

・学生自身が課題を設定・提案して取り組む「提案課題型」コース


コース選択後は、次のような事前学習を行っています。


・プロジェクトの目的や課題の確認 ・企業の方と接する際のマナー講習 ・スケジュール作成 ・達成目標の設定


事前学習後は、6か月の実習期間に入ります。

  1か月目:商店街の実態を把握、観光客の動向などを調査します


2・3か月目:実際に商店街で働く人へのインタビュー

       インタビューをもとに、観光客の興味を引く事業や、商店街そのものの

       知名度を上げる事業などの施策を商店街復興組合と連携して作成。


4・5か月目:検討した事業内容を中間報告会で発表。


  6か月目:ブラッシュアップした事業案を最終報告会で発表し、

       その事業案を大学と商店街復興組合に提出します。



実施成果

実践体験型のPBL学習を行うことによって、自分が住む地域の課題に対する関心や理解が深まると同時に、自分で状況に応じて判断し行動するという能力の向上が見られました。学生自らコース選択が可能なため、関心をもって物事に取り組むことが可能です。

また、地域の商店街復興組合との連携を通し、実際に起きている課題を自分事として捉え、解決のためのアクションを起こしたことも、これらを実現させた要素の一つだと考えます。

 

和歌山大学


和歌山大学は、キャリア教育科目や、協働教育センターのクリエプロジェクト(自主演習)などでPBLを展開しています。

こちらも、先進的企業のリアルな 課題に取り組む実践体験型のPBLを行っています。


以下のような内容で、生徒のフェーズに合わせ必要なタイミングで必要な学習を組み込んでいます。



1. チーム形成

リーダー立候補→チーム構成条件を提示→条件を満たすようにリーダーがメンバー集め


2. 連携企業参加の中、企業紹介・ テーマ発表 ・チームと個人の目標設定


3. マーケティン グ基礎 ・アイデア作りの基礎(ブレーンストーミング)

   などのインプットを経て、企画の概要とリサーチ案を作る


4. 企画ワーク ・最終成果物の事例紹介 ・企画開発ワーク


5. 連携企業社長による講演とここまでのフィードバック


6. チームメンバー内で相互にフィードバック ・企画開発ワーク

7. プレプレゼン テーション ・企画の最終仕上げ


8. 予選プレゼン

投票により代表5チームを選出 第12回 最終プレゼン ・チームでのふりかえり



実践成果


実施後の学生の感想には、

「可能性の限界を勝手に決めつけていた」
「自分が何に向かって何をすべきかについてはっきりとするものが見えた」

など普段の授業では得られない、自己肯定感、前に踏み出す力など、主体性が身に付いたと見られます。


チーム結成から全て自分たちで行い、最後までやり遂げるという経験がこれらの力に結びついていると考えられます。



 

甲南大学   


甲南大学もプロジェクトゼミと呼ばれるPBL型の授業を行っています


プロジェクトゼミでは、社会の第一線で活躍する甲南大学のOB・OGから取り組むべき課題を提示してもらいます。

さらに与えられた課題に対する解答・解決策をその先輩の前でプレゼンテーションして講評してもらうというイベントを授業に組み込んでいます。


課題が提示された後は、以下の手順で進めていきます 


1. グループ作業

グループでどうやったらその課題を解決できるかを話し合い、

「なにをしらべるのか」ということを明らかにしていき、課題に向かう方向性を決めます


2. 自主的に学習する

その課題に対する知識をインプットしたり、

実際にその課題を抱えている人などから話を聞いたりして、自主的に活動します。


3. 新たに学習した知識を問題に適用する

インプットだけではなく、新たに得た知識をもとに

再びグループで話し合い、課題に対する解決策のさらなる改善を繰り返す。


4. 学習したことを要約する


ブラッシュアップした解決策をプレゼン、発表などの形でアウトプットする



実践成果


同じ科目で、PBL型の授業を行ったクラスト、従来通りの形式で行ったクラスが比較されました。

20項目で評価したところ、問題を発見する、解決する能力、学習への意欲など、あらゆる点でPBL型の授業を受けた生徒の方が高いという結果が出ています。


PBL型の授業では、インプットからアウトプットまで、全て自主的に行ったことがこのような結果に繋がる要因だと考えます。


 

新潟大学


新潟大学では、PBL(Project ‐Based Learning)の手法を取り入れたインターンシップに取り組んでいます。

インターンシップにPBLを導入しているのは、学生にインターンシップの目的を明確化させるためです。

そのため、インターンシップが始まる前から準備をはじめ、インターンシップ中に得た課題の解決方法を提案したり、インターンシップ先で、実際にその案を発表したりします。


インターンシップ受け入れ先からの課題解決に向かって、学生が主体的に学習して取り組みます。


インターンシップ終了一か月後に課題に対する、提案を行います。インターンシップを通して、職場を体験するだけではなく、企画提案力、プレゼン能力、コミュニケ―ション能力、などの向上に役立ちます。



実践成果


事業所での就業体験→PBL課題グループワーク→課題解決提案の流れでインターンシップをすることによって、通常のインターンシップを実施するより企画力、プレゼン力、課題解決能力などの向上が見られました。


インターンシップ終了1か月後に発表があるということで、就業体験が終わったら終わりではなく、その経験から学んだことを整理し、アウトプットする機会があるというところに成長の大きな要因があるだろうと考えられます。


 

まとめ


ここまで、PBL学習を導入している大学、その実施内容や成果について紹介してきました。

現代の著しく変化す時代には、自分で考え行動し、解決に導く能力が必要不可欠です。

PBL学習では、それらの力を効率よく伸ばすことができます。


今回紹介した事例を参考にぜひ、大学、高校などカテゴリーを問わずPBL学習を導入してみてください。


 

FROGS流PBLワークショップ

これまで、日本でPBL学習を導入している大学の活用事例をお伝えしてきましたが、実際どう学校に取り入れていいか分からないという教育関係者の方々へ弊社が行なっている、小学生から大学生まで対応しているPBLワークショップをご紹介します。

地域課題解決 Workshop

身の回りで感じている地域の課題をテクノロジーを使ってどう解決するかを考えます。世界で起こっているイノベーションの事例を踏まえながら、自分たちだったらどう解決するかグループで話し合い、考えます。

人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)

時間:3時間程度

対象:中学生以上の学生

身に付くスキル:問題解決能力、アントレプレナーシップ 、思考力



SDGs Workshop

2030年に向けたグローバルアジェンダ「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の17のゴールをキーにして、PBLの手法で、持続可能な共生社会を自らの手で作るための行動をデザインしていくワークショップです。

人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)

時間:3時間程度

対象:小学校高学年以上の学生

身に付くスキル:思考力 、創造力


MESH Workshop

日本が提唱する未来社会のコンセプト「Society 5.0」で描かれる世界では、地域環境や世代を超えたIoTインフラが私達の生活を支えています。IoTと私達の関わりや変化する社会のカタチをSONYのIOT学習ツール「MESH」を使って、Hands-On Minds-Onで学んでいきます。


人数:4名以上(3〜4名を1組としたグループワーク形式)

時間:3時間程度

対象:小学校3年生以上の学生

身に付くスキル:創造力、問題解決能力、思考力


FROGS流PBLワークショップの特徴

弊社ワークショップでは、社会課題に密着したPBLワークショップが特徴です。地域課題やSDGsなど、生徒達自身が解決したいと思える社会課題を見つけてもらい、それを自分たちならどう解決するかを考えてもらいます。

そうすることで、身の回りの社会課題に気づけるようになり、それらを解決するための問題解決能力、思考力、創造力が高まる効果があります。


また、社会課題の解決案を生み出すということを体験することによって、生徒達への達成感や自信、学びへのモチベーションへ繋がります。


さらに、「MESH」を使ったワークショップもご用意していますので、テクノロジーが私たちの生活に実際どう関わっているのか、それをどう活用していくかも学ぶことができます。


弊社PBLワークショップが気になった方はこちらから内容をご確認ください。



■参考


bottom of page