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SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」|プラスチックが魚より多くなる未来

皆さん、SDGsという単語をご存知でしょうか。

何となく聞いたことある、SDGsに関してのニュースを見たことがあるという方も多いかと思います。


しかし、SDGsという単語を知っていても、内容については詳しく分からないという方も多いのが現状です。


そこで今回はSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の内容や課題などについてご紹介します。

 

持続可能な開発目標・SDGsとは?

SDGsとは「Sustainable Development Goals website」の略称であり、日本語では持続可能な開発目標という意味です。


2015年に行われた国連サミットで、2030年までに世界中のみんなで協力してより良い社会を作りましょうと定められた目標です。


そのSDGsは17のグローバル目標と169のターゲットで構成されています。


こちらがSDGsで掲げられている17の目標です。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレをみんなに
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsの17の目標や169のターゲットについて別記事で詳しくまとめましたので、他に気になる目標がある方はこちらからご覧ください。


 

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の具体的な課題とは?

SDGs17の目標には、その17の目標に付随された169のターゲットがたてられています。今回はその中でもSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲットをご紹介します。

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」

海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。

14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。

14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。

14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。

14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。

14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。

14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。

14.a 海洋の健全性の改善と、開発途上国、特に小島嶼開発途上国および後発開発途上国の開発における海洋生物多様性の寄与向上のために、海洋技術の移転に関するユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを勘案しつつ、科学的知識の増進、研究能力の向上、及び海洋技術の移転を行う。

14.b 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。

14.c 「我々の求める未来」のパラ158において想起されるとおり、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用のための法的枠組みを規定する海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されている国際法を実施することにより、海洋及び海洋資源の保全及び持続可能な利用を強化する。


 

世界で起きている、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の問題とは?

次に、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の目標を達成するために解決しなければならない課題をご紹介します。


国連連合広報センターの持続可能な開発目標(SDGs)報告2019にはこのように発表されています。

・海洋酸性度は、産業革命以前との比較で26%上昇しており、2100年までに、さらに100〜150%急上昇する見込みがある
※海洋酸性化は海洋の二酸化炭素吸収力に影響をきたし、海洋生物を危険にさらす

・生物学的に持続可能な水準にある魚類資源の割合は、1974年が90%だったのに対し、2015年には67%へと減少している

・87ヵ国が違法・無報告・無規制漁業に関する初の拘束力を持つ国際協定となる、寄港国措置協定に署名している

・2012年〜2018年の間に沿岸海域の220ヵ所のうち104ヵ所で、沿岸水質が改善している

・国家の管轄下にある水域の17%が、保護区に指定されており、それは2010年の2倍以上にあたる

国連連合広報センターの発表を見ると、海洋酸性度の上昇や、魚類資源の割合など問題となっている面はあるものの、多くの国がそれらを解決するための協定に参加したり、改善に努めていることがわかります。



 

なぜ海は汚れるの?

国連連合広報センターの発表をみると、様々な国が水質改善などに努めているにも関わらず、海に関する問題が発生しています。


それではなぜ、海問題が発生してしまうのかをご紹介します。


海洋ゴミとは?

海に関する問題は何ですか?と問いかけられると一番に思い浮かぶのはゴミ問題ではないでしょうか。


海ゴミと言っても、海岸に打ち上げられた「漂着ゴミ」、海を漂っている「漂流ゴミ」、海底に沈んだ「海底ゴミ」があり、その総称のことを「海洋ゴミ」と言います。


この海洋ゴミの8割が私たち人間が暮らすための発生したゴミだと言われており、その中にはペットボトルやレジ袋など日常的に使われている物も多く含まれています。


その中でもプラスチックは、半永久的に分解されることがないゴミなので、世界的にもプラスチックゴミが問題視されています。


また、5mm以下のサイズになったプラスチックのことをマイクロプラスチックといい、そのマイクロプラスチックは北極海南極海、さらに世界で最も深い太平洋・マリアナ海溝の底からも見つかっています。


海洋ゴミの影響

世界では毎年、約800万トンものプラスチックごみが海に流出しています。


これは、東京スカイツリー222基分にあたいする重量で、2010年時点ではそのうち毎年2〜6万トンのプラスチックごみが日本から流出していると推計されています。



これら海洋ゴミは、海で暮らす生き物に悪い影響を与えています。


例えば、2019年3月、フィリピンの海岸に打ち上げられたクジラの胃から40kgものビニール袋が出てきたというニュースがあったり、死んでしまったウミガメ102頭の内臓からはマイクロプラスチックなどの合成粒子が800以上見つかったという報告もあります。


現在も増え続けている海洋ゴミですが、このままの増加ペースで進めば、2050年の海には魚よりプラスチックゴミの量が多くなると予測されています。



 

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」を達成するために私たちができることとは?


これまでの説明から、海洋ゴミの深刻さが分かったと思います。それでは、私たちが海洋ゴミを少しでも減らすためにできることはなんでしょうか。


先ほどもご紹介したように、海洋ゴミの8割が私たち人間が暮らすために発生した街のゴミが海に流れ出て海洋ゴミとなっています。


私たちが少しでも海洋ゴミを減らすためには、街のゴミを減らさなければいけません。


そのために

①マイバックを利用し、レジ袋をもらわないようにする

②プラスチックボトルを減らすためにもマイボトルを持ち歩く

③ゴミのポイ捨て、不法投棄はしない

④ゴミは所定の場所・時間に出し、しっかり分別する

3R(リデュース・リユース・リサイクル)でプラスチックを有効に活用する

⑥河川敷や海岸の清掃活動に参加する

など他にも1人1人が小さな意識を変えるだけで、大きな変化へと繋がるのではないでしょうか。



 

まとめ

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」を達成するには、主に海洋ゴミの問題を解決しなければいけません。


海洋ゴミは海の動物にも影響しており、クジラやウミガメなどの死体からは大量のプラスチックゴミなどが発見されています。


そんな世界問題の海洋ゴミですが、その8割が私たち人間が暮らすための発生したゴミです。


私たちはそれらを減らすためにも、マイバックやマイボトルを使用するなどゴミやプラスチックを減らすような意識をしていかなければいけません。


 

最後に

弊社では国際社会の共通目標「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。

FROGS版SDGsワークショップ

弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。

まず、SDGsについてや、17の目標を子供達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを子ども達に考えてもらいます。


その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。


このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。


2019年1月に行なったSDGs研修では、子ども達メインのワークショップに保護者も混ざって一緒にワークショップを行いました。


そこでは、子ども達、保護者が考える2030年の幸せな世界について議論していました。このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。

また、その様子を沖縄地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。


弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。



参考

国連連合広報センター 続可能な開発目標(SDGs)報告2019

国連連合広報センター 国連海洋会議とは


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