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目標8.働きがいも経済成長も|SDGs日本での取り組み事例3選

近年、普及活動がされている「SDGs」ですが、何となく言葉だけは知ってるけど、深い内容は分からないという人も多いのではないでしょうか。


今回は、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」について詳しくご紹介します。



 

SDGsとは?

SDGsとは2030年までに世界中のみんなで協力してより良い社会を作りましょうと国連で定められた目標です。

その目標には社会課題を大きく分けた17の目標が存在しており、今回はその目標のうちの目標8「働きがいも経済成長も」にフォーカスした内容をお届けします。

また、17の目標にはさらに社会課題を細分化した169のターゲットも定められています。


こちらがSDGs17の目標です。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレをみんなに
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

今回は、目標8「働きがいも経済成長も」について詳しく紹介しますので、それ以外の目標にも興味がある方はこちらからSDGs17の目標と169のターゲットをご覧ください。



 

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」の具体的な目標とは?

次に、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」について詳しくご紹介します。


まず、世界にどのような課題があるかご紹介する前にSDGsではどのような課題解決方法が具体的にあげられているのかご紹介します。



SDGS目標8「働きがいも経済成長も」

すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

8.1 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。

8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。

8.3 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。

8.4 2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。

8.5 2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。

8.6 2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。

8.7 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。

8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。

8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。

8.10 国内の金融機関の能力を強化し、全ての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。

8.a 後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。

8.b 2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。


 

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」の世界で起こっている課題とは?

SDGs目標8の世界的な課題は何があるのかみていきましょう。

国連連合広報センターの持続可能な開発目標(SDGs)報告2019にはこのように発表されています。

・後発開発途上国(開発途上国の中でも特に開発が遅れている国々)の実質GDP成長率(2010年〜2017年)は4.8と、SDGsのターゲットで掲げている後発開発途上国の成長率7%を満たしていない
・2018年の労働生産性は、前年比2.1%増と、2010年以来最大の年成長率を達成
・時給中央値は男性が女性を12%上回る
・世界の失業率は5%(2018年)
・若者の5分の1は教育にも仕事にも訓練にも参加していない状況に

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」を達成するためには、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をどう実現できるか考えなければいけません。


ディーセント・ワークとは?

まず、ディーセント・ワーク(Decent work)のディーセント(decent)とは「適切な、きちんとした、まともな、妥当な」という意味があります。


SDGs目標8にも掲げられているディーセントワークとは、1999年の国際労働機関(ILO)で

初めて使われた言葉で、ILOの主目標として決められました。


国際労働機関(International Labour Organization/ILO)とは、1919年に創設された世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を進める国連の専門機関です。


ILOはディーセント・ワークには、以下の取り組みが必要だと発表されています。

1.必要な技能を習得して、働いた賃金で暮らしていけるよう、国と企業が仕事の創出を支援する
2.社会保障を充実させて、安全に健康的に働ける職場環境を保障する
3.職場で起きた紛争や問題が平和的な解決に導かれるように社会対話を推進する
4.不利な立場で働く人をなくすために労働者の権利を保障し尊重する

そして、ジェンダー平等は、横断的目標として、全ての戦略目標に関わっています。

国際労働機関 ディーセント・ワーク より


また、日本政府はディーセント・ワークの概念を普及させるために、平成24年7月に閣議決定された「日本再生戦略」にもディーセント・ワーク実現に向けての内容が入っています。


 

日本での目標8「働きがいも経済成長も」への取り組み事例3選

最後に、日本では目標8の達成のためにどのような取り組みが行われているかご紹介します。


日本郵政株式会社

日本郵政では「人材の育成」と「働き方改革」を重点課題としており、「従業員一人ひとりがいきいきと能力を十分に発揮し活躍できる」という目標を掲げています。


そのために下記の取り組みを行っています。

・キャリアパスに応じた研修(階層別、フロントラインリーダー研修等)
・グループ合同研修(総合職転換者研修、新任役員研修等)
・女性活躍推進(女性の役職者登用等)
・障がい者雇用の推進
・性の多様性(LGBT)の理解促進
・育児休業・介護休業取得推進
・働き方改革(労働時間削減等)
・従業員の健康保持・増進

また、2020年度の目標として女性管理者比率、障害者雇用率グリープの増加を目指しています。


株式会社ヤクルト本社

ヤクルトでは、調達・生産・販売に関わる分野で目標8を達成するための取り組みが行われています。

調達では、持続可能な「調達」に取り組む 、労働環境にも配慮した「調達」を行う
生産では、持続可能な「生産」に取り組む 、生産工場等の適正な雇用を確保する
販売では、健康に貢献する商品の「販売」・お届けを行う、ヤクルトレディの就労環境の整備を図る、女性の能力向上を図る

富士ゼロックス株式会社

富士ゼロックスは、会社独自で掲げているCSR計画「Sustainable Value Plan(サステナブル・バリュー・プラン)2030(SVP2030)」の中に目標8に関する目標を掲げています。

事業活動を通じた取り組み
・働く人の生産性向上と創造性発揮を支援するソリューション・サービスを提供する
・情報セキュリティを含む多様なリスクに対応できるレジリエントな社会インフラを構築する
・人手不足や地域の課題を解決するソリューション・サービスを推進する
・それぞれの社会で求められる品質・価格での商品・サービスを提供する
従業員への取り組み
・自ら考え行動し、イノベーション創出に寄与する人材の獲得・維持・育成を推進する
・自社の働き方変革とダイバーシティ&インクルージョンを推進する
・健康経営の推進により従業員の活力を維持・向上する


 

まとめ

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」を達成するためには、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)をどう実現できるか考えなければいけません。


そのために、日本では女性活躍推進や障がい者の雇用増加などが行われています。

 

最後に

弊社では国際社会の共通目標「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。

FROGS版SDGsワークショップ

弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。

まず、SDGsについてや、17の目標を子供達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを子ども達に考えてもらいます。


その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。


このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。

2019年1月に行なったSDGs研修では、子ども達メインのワークショップに保護者も混ざって一緒にワークショップを行いました。


そこでは、子ども達、保護者が考える2030年の幸せな世界について議論していました。


このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。


また、その様子を沖縄地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。


弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。



参考

国連連合広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)報告2019

国際労働機関 ディーセント・ワーク

株式会社ヤクルト本社 ヤクルトにおけるSDGs

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