PBLは昔から行われていた⁉~PBLの歴史と現代における必要性~

現在、世界の情勢は大きく変動し、目まぐるしい変化が起きています。


今後世界がどうなっていくのか予測できる人はいないでしょう。

そんな世界の中では自ら課題を見つけ、行動して解決していく力が必要とされています。


今回はそんな変化していく社会に必要な力を身に付けるためのPBL学習の歴史となぜ現代教育で必要とされているのかをについて紹介したいと思います。



PBLとは?

そもそもPBLとはどういう意味なのでしょうか。


PBL(Project Based Learning)は、自ら問題や、課題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育方法であり、学生が主体的に学ぶアクティブ・ラーニングの一種とされています。

日本語では「問題解決型学習」などとも呼ばれています。


現在、多くの大学でも注目され、すでに導入している大学も少なくありません。



PBLは昔から行われていた⁉

実はPBLという概念は昔からあったのです。


新学習指導要領で注目される探究学習は、つい最近から出てきたように感じますが新しい概念ではないのです。


アメリカ教育界の第一人者ジョン・デューイ(1859-1952)が、探究のプロセスについて研究したのが起源だとされています。


デューイは以下のように述べています。

課題や問題に対して、仮説を立てたり、解決するために行動を起こし実際に検証していく過程こそが「考える」ということであり、「探究」なのだ。

つまり、行動するなどの経験することによって学ぶことの重要性を提唱したのです。


日本にデューイの考え方が入ってきたのは明治時代とされており、第二次世界大戦後の戦後新教育もその流れを汲むものだとされています。

2000年頃の「総合的な学習の時間」導入期にもデューイの思想が盛んに取り上げられていた時期であるため、現代の教育に大きく影響を与えた思想であると言っても過言ではないでしょう。


一方、PBL(Project Based Learning)はデューイの弟子であるウイリアム・ハードキルパトリック(1871-1965)が提唱した「プロジェクト・メソッド」に起源があるとされています。生徒が自ら計画を立て、生活の中で問題を解決する実践的活動を重視するもので、これが現代のPBL学習にも繋がっているのです。

彼はプロジェクトを「生徒が計画し現実の生活において達成される目的をもった活動」と定義し、生徒に目的設定、計画、遂行、評価の活動を行わせる新しい教育を推進したのです。


こちらも、すでに100年以上前から行われている教育方法です。


戦後の変動の時代に導入されていた教育が、再び注目を集めているということは、現代も大きな変動の時期を迎えているということなのでしょう。



なぜPBLが必要なのか?

100年以上前からもとになる考えがあり、世界が変動してもなおその教育思想を受け入れられているのはなぜでしょうか。

どうして現代にPBL学習が必要なのかを掘り下げていきたいと思います。


現代社会の特徴を表すキーワードとして、よく「VUCA(ブーカ)」が挙げられます。


「VUCA(ブーカ)」とは、あらゆるものを取り巻く環境が変化し、将来の予測が困難になっている状態のことを意味する造語です。


V  Volatility    変動性
U   Uncertainty    不確実性
C   Complexity    複雑性
A   Ambiguity    曖昧性

もともとは冷戦終了後の複雑化した世界情勢を表す言葉でしたが、今ではビジネス環境や市場、組織など自分の周りを取り巻く環境などにも使われるようになりました。


つまり冒頭でも述べたように、冷戦終了後の世界と比べられるほど、世界は今まで以上に変動しこれから先どうなるか読みづらい世界になってきたということです。


そして、国連はSDGs「持続可能な開発目標」を発表し、地球環境の重要性を改めて提唱しています。


自ら課題を見つけ、行動し解決を導き出すというPBLの考え方はSDGsの目標を達成するために必ず必要な能力となってくるでしょう。


世界の住民一人一人が考えて行動をすることができれば、SDGsの目標達成に大きく近づくことが可能です。




PBLの手順

PBLは、基礎と現場での実践を結び付けて学習しやすいことや、それにより、問題解決能力を身に付けやすいことなどのメリットがあります。

そのため、子供たちの学習効果を上げることが期待されています。


 PBLの手順の例は、以下の通りです。

① 問題、課題を見つける
② どうしたら解決できるかを論理的に考える
③ 相互に話し合い、何を調べるかを明らかにする
④ 自主的に学習する(インタビュー、アンケートなど)
⑤ 新たに獲得した知識を解決法に反映させる
⑥ 学習したことを要約する(プレゼンするのも良い)

 授業で簡単な課題を見つけてグループ学習でこの方法を取り入れてみるのもいいですね。




最後に

 皆さんが知る限りの歴史を振り返っても、人類は多くの変動を乗り越えてきたことがわかるでしょう。

つまり、新たな転換期を迎えた現代にもそれを乗り越える術は確実にあるはずです。


 その一つは人類発展の大きな要因でもある教育です。

現在注目されているPBL型の学習は難しいようで、意外と身近なことからできる学習でもあります。


 皆さんも上記の手順を参考に、自分の身近な生活の課題を考えてみてはどうでしょうか。