ビジネスを進める上で必ず起こる課題や問題。なぜか同じような問題が起こったりすることはありませんか?
それは、課題や問題の表面上に起こっている出来事しか解決しておらず、根本部分の解決に繋がっていないことが原因かもしれません。
グローバル化やオンライン化が進み、多様な社会になっていく中で、様々な価値観の方々と働くということは、「何となく理解してくれるだろう」という考えではいけません。
起こった課題に対して、何が原因だったのか、その原因を表面的に認識するのではなく、全体的に多角的な視点で認識する必要があります。
そこで、今回は全体的に多角的な視点で課題の根本を導き出す、課題解決手法の一つである「システム思考」についてご紹介します。
|システム思考とは?
システム思考とは、解決すべき課題を「システム」として捉え、課題を俯瞰的に、規則的に考える思考方法のことです。
問題が起こる背景には、ビジネス戦略や組織の多様化、他にも多くの原因が複雑に絡まり起こっているにも関わらず、表面的に見える問題のみが解決されがちです。
起こった問題を客観的な視点で認識し、その課題にまつわる全ての出来事を1つ1つ分解し、関係性まで紐解くことによって、全体を「システム」として把握することができます。
システムを捉えることができれば、これまで気づかなかった小さな問題が影響を及ぼしていることが発見できたりと、課題の根本の解決方法を探すことができます。
|システム思考の歴史
システム思考はどのようにしてビジネスシーンに取り入れられるようになったのでしょうか。簡単にシステム思考の歴史についてご紹介します。
システム思考は、1956年にMIT(マサチューセッツ工科大学) スローン経営大学院のジ ェイ・フォレスター氏が創案した「システムダイナミクス」が基になっています。
その後、1990年マサチューセッツ工科大学の講師だったピーター・センゲ氏の著書『The Fifth Discipline(学習する組織)』でシステムダイナミクスを基にしたシステム思考を提唱したことにより、ビジネス界で広がるようになりました。
|システム思考方法
システム思考を取り入れる簡単な方法としては大きく2つのパターンがあります。
それが、氷山モデルとループ図という方法です。こちらの2つの方法についてご紹介します。
氷山モデル
氷山モデルとは、問題を「出来事」「パターン」「構造」「メンタルモデル」4つの階層で構成する思考方法です。
表面的に見えている「出来事」のみを問題と認識してしまうことで根本的な解決に繋がらないということに陥りがちです。そうならないためにも、出来事のみを認識するのではなく、問題を深く掘り下げると大きな課題が潜んでいることが分かるという思考方法です。
問題が起こった「出来事」のみに注目するのではなく、それが起こる「パターン」があるのかを調べ、パターンが起こってしまう「構造」が何なのかを見極めます。
そして最後に、この構造に関わっている関係者を特定するのが「メンタルモデル」です。ここでは、犯人探しをするわけではなく、関係者の関係性に原因があったのかを知るために必要になってきます。
ループ図
氷山モデルを多角的に可視化したものがループ図です。
問題を起こしている複数な因果関係を、より理解しやすく把握するのに役立ちます。
ループ図は、システムを構成するそれぞれの要素を矢印と曲線でつなげ、始まりの要素(問題)に対してどのような結果が起こるのか、問題の起こる循環の関連性を表す図です。
|システム思考の基本的な取り入れ方
それでは最後に、システム思考をどのようにして取り込んだらいいのか、基本的な流れをご紹介します。
システム思考を取り入れるためには、8つのステップがあります。
課題の出来事(問題)を言語化する
その出来事にはパターン(行動パターン)があるのか、課題が発生した経緯や時系列を調べる
パターンを引き起こしている原因を探るために、課題に関わっている因果関係の構造を紐解いていく
3.の構造で出た課題の因果関係をループ図でさらに分かりやすくする
メンタルモデルも調べるために、課題に関係性のある人々の関係性や価値観、信念なども確認する
メンタルモデルも課題の要因になっているのかを調べ、ループ図に加える
課題の根本が発見される
2.のパターンが起こらないための対策を立てる
重要なのは、人や状況、問題にフォーカスするのではなく、パターンとそのパターンを引き起こしている構造に着目することです。
何となくの感情や表面的な問題のみを解決するのではなく、システム思考から問題が発生する根本は何なのかを探り、それが起こらないためにどうしていくかの対策を立てることも重要です。
|まとめ
システム思考とは、解決すべき課題を「システム」として捉え、課題を俯瞰的に、規則的に考える思考方法のことで、ジ ェイ・フォレスター氏が創案した「システムダイナミクス」が基になり、ピーター・センゲ氏の著書『The Fifth Discipline(学習する組織)』によりその思考方法がビジネス界に広がりました。
システム思考を取り入れる簡単な方法として「氷山モデル」と「ループ図」という2つの方法があります。
氷山モデルは、問題を「出来事」「パターン」「構造」「メンタルモデル」4つの階層で構成する思考方法で、その氷山モデルを多角的に可視化したものがループ図です。
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