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イノベーターとは?|意味や定義、育成方法をご紹介

新型コロナウイルスの流行により、働き方や日常生活が大きく変化している現代社会ですが、このような逆境の中だからこそ、新たな価値や社会変革のために挑み続ける「イノベーター」が求められています。


しかし、普段何気なく使っている、イノベーターという言葉ですが、それがどのような定義なのか説明できる人はそう多くないと思います。


そこで今回は、イノベーターを説明する上で欠かせない、イノベーションの定義や語源から紹介し、それを踏まえた上でイノベーターがどのような意味なのかをご紹介します。

 

イノベーションとは?

イノベーション(innovation)を直訳すると、「革新、刷新、一新」という意味です。


よく日本では「技術革新」と訳されますが、イノベーションの提唱者である経済学者のシュンペーターによれば、イノベーション本来の意味は技術だけにとらわれたものではなく、広い概念を持っているとされています。


シュンペーター著書の「経済発展の理論」では、イノベーションを5つの理論に分類しています。


それがこちらです。

①消費者に新しい製品を生産(プロダクト・イノベーション)
新技術や新製品などの開発により新規顧客を生み出すことです。

例えば、携帯の概念を一変させたiPhoneや、洗剤の形を変えたジェルボール洗剤などは、プロダクト・イノベーションです。

②新しい生産方法の導入(プロセス・イノベーション)
今までの業務の過程・工程に新たな生産効率、生産スピード、生産方式などを導入することです。

最近だと、ZOZOSUITがプロセス・イノベーションだと言えます。消費者は店舗に行くことなく、体に合ったサイズを注文でき、製造者はコスト削減につながります。

③新しい市場の開拓(マーケット・イノベーション)
企業、店舗、ネット販売などの新たなマーケット市場を開拓することです。

誰でも簡単にネットショップが作成できるBASEは、マーケット・イノベーションに入ります。今まで
店舗販売だけで経営していたお店は、インターネットという大きい市場で商品を販売することができるようになりました。

④新しい原料の獲得、(サプライチェーン・イノベーション)
資源、原料、製品の新たな供給ルートを開拓したり、これまで誰の目にも止まらなかった原材料に着目することです。

ポストイットは元々、強力な接着剤を開発していた研究員が、偶然作った非常に弱い接着剤でした。しかし、その数年後、別の研究員が、弱い接着剤を本のしおりにできないかと応用し、瞬く間に世界中で大ヒットしたのがポストイットです。

⑤新しい組織の実現(組織イノベーション)
これまでになかった組織体系をつくりだすことです。

テレビ、ビデオエンターテインメントのABEMAを運営しているサイバーエージェントグループは、たとえ新卒でも、その人にスキルとアイデアがあれば子会社の社長を任せるという風潮があります。

このようにイノベーションには技術革新という意味だけでなく、様々な定義があります。それを踏まえて、イノベーターとは何なのか考えてみました。


イノベーターとは?

イノベーターとは、英語の「innvotar」をカタカナにした言葉で、「革新者」を意味しています。それだけ聞くと、iPhoneを生み出したスティーブ・ジョブスや新しい商品を生み出そうとしている起業家を浮かべがちですが、それだけではありません。


上記でも説明したように、イノベーションには様々な定義があり、新たな市場を開拓すること、組織体系に変化をもたらすこともイノベーションに入ります。


ということは、起業家や新しい商品を生み出すことだけがイノベーターではなく、会社に属しながらもイノベーターになれるのです。


結論すると、社会や会社、身の回りのコミュニティに対して、自分自身が変えたい、新しく開拓したいと思ったことに、新しいインパクトを与えながら、より良い方へ改革していく先駆者がイノベーターだと言えるのではないでしょうか。

 

なぜイノベーターが必要なのか?

イノベーターの定義が分かったところで、なぜイノベーターは必要とされているのかを説明します。


世界の時価総額ランキングで日本が衰退しているのは有名な話です。平成元年では、世界のトップ10がほとんど日本だったのに対し、現在ではほとんど米国が占めています。

平成元年の世界時価総額ランキング
1位:NTT(日本)
2位:日本興業銀行(日本)
3位:住友銀行(日本)
4位:富士銀行(日本)
5位:第一勧業銀行(日本)
6位:IBM(米国)
7位:三菱銀行(日本)
8位:エクソン(米国)
9位:東京電力(日本)
10位:ロイヤル・ダッチ・シェル(英国)

参考:ダイアモンドオンライン


2020年7月時点での世界時価総額ランキング
1位:アップル(米国)
2位:サウジアラビアコム(サウジアラビア)
3位:アマゾン・ドット・コム(米国)
4位:マイクロソフト(米国)
5位:アルファベット(米国)
6位:フェイスブック(米国)
7位:アリババ・グループ・ホールディング(中国)
8位:テンセント・ホールディングス(中国)
9位:バークシャー・ハサウェイ(米国)
10位:ジョンソン&ジョンソン(米国)

ランキングを見てわかるように、日本企業は確実に衰退しています。そして、現在のランキングでは、創業年数がそこまで経っていない企業も多く入っています。Amazonは2020年現在時点で創業26年目で、Facebookは何と創業7年目です。


それに対し、日本は昔からある大企業が1社、ランキングの50位以内にに入るか否かの状況になっています。つまり、イノベーションを起こしている企業が評価されているということです。


さらに、現在、新型コロナウイルスにより経済的ダメージが増加する中、日本は超高齢化社会という世界でも前例のない時代へ突入しています。


日本が世界で生き残るためにも、今の状況に対し仕方ないと諦めているだけでは、衰退の一途をたどる他ありません。


この状況を変えるためにも、イノベーションを起こすしかないのです。また、内閣府からもイノベーションの必要性が提言されています。

我が国の景気は緩やかに回復しており、経済の好循環は着実に進展しているものの、今後の少子高齢化の進展等を考慮すると、中長期的な経済活力を維持・向上させていくためには、第4次産業革命と呼ばれる近年のイノベーションを加速し、社会実装を進め、その成果を経済成長や国民生活の豊かさにつなげる「Society 5.0」の実現が求められている。


 

日本のイノベーター

イノベーターが必要とご紹介しましたが、現在、日本には既にどのようなイノベーターがいるのか、日経BP社主催「日本イノベーター大賞」を参考にまとめました


小林晋也氏 

これまで経験と勘に頼っていた畜産、酪農産業にIoT技術(モノのインターネット)を導入し、生産性向上と効率化を推進しています。


Farmnote Colorという、リアルタイムに牛の活動情報を収集できる端末を牛の首に装着し、そこから取得したデータをクラウド管理システムのFarmnoteに保存、分析します。


そうすることで、牛の体の変化、発情周期などをデータで管理することを可能にしました。


山田進太郎氏

若い世代に高い支持を受ける、スマートフォンのアプリ「メルカリ」を開発し、現在では月間利用者数1,538万人の日本最大のフリマアプリに成長させました。


時価総額10億ドル(約1100億円)以上ある、日本で数少ないユニコーン企業(非上場で時価総額10億ドル以上の企業)でした。現在は、2018年に上場しているので、ユニコーン企業から外れています。


今年2月に行われた「Mercari Conference 2020」では、2020年6月期を「国内事業メルカリJP」「メルペイ」「米国事業メルカリUS」の3つの軸を確立し、これまで通りのグロースを最優先した投資を継続すると発表しています。

 

世界のイノベーター

次に、世界中に影響を与えているイノベーターをご紹介します。


イーロン・マスク

電気自動車会社のテスラ、宇宙開発事業のスペースXで、最近最も有名なイノベーターの1人がイーロン・マスクです。


最近では、民間企業が開発した宇宙船として初めて国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功し、8月2日には宇宙飛行士2名を乗せて南部フロリダ州沖に無事着水しました。


ジェフ・ベゾス

世界最大級のインターネット通販サイト、Amazonの設立者兼CEOのジョフ・ベゾスは、Forbes誌2020年2月6日のデータによると、純資産1246億ドルを所有する、世界屈指の大富豪の経営者です。


2018年には、消費者がレジに並ぶことなく商品を購入することができる無人スーパーAmazon Goを設立しました。


ジャック・マー

インターネット通販サイトや、金融サービスを主たる事業としているアリババの設立者がジャック・マーです。


会長職を退任した2019年には、中国版Amazonと言われているアリババや、決済サービスのアリペイを種としている、アリババグループの時価総額を世界7位まで押し上げました。


 

イノベーターはどうやって生まれるのか?

イノベーターの必要性や、日本・世界のイノベーターを紹介しましたが、どのようにイノベーターを育成したらいいのか悩んでいる人事担当の方もいらっしゃるかと思います。


そこで、経済産業省で行われているイノベーター育成プログラムや、弊社で行われているイノベーター人財育成プログラムについてご紹介します。


次世代イノベーター育成プログラム「始動Next Innovator」

経済産業省とJETROが主催するプログラムで、次世代のイノベーターを育成することを目的に2015年度に立ち上がりました。


このプログラムでは、全17日間の国内プログラム参加者の中から、選ばれた数名を全10日間のシリコンバレープログラムへと派遣し、最後には成果発表を行います。


これらを通し、イノベーターに必要な知識・スキルを経験的に身につけてもらうことを目的としているプログラムです。


FROGSイノベーター人財育成研修

弊社では、Ryukyufrogsという世界と沖縄をつなぐ若手イノベーター人財を発掘・育成する半年間のハイブリッドイノベーター型人財育成プログラムを11年運営し、今年で12年目になりました。


そのノウハウを軸に、企業向けイノベーター人財育成研修を行なっています。


まずはRyukyufrogs協賛企業さま向けに、予算に応じて4つのメニューをご紹介します。

A-1:海外派遣を含めた半年間の研修プログラム全てに出席していただき、沖縄発のカンファレンスイベントLEAP DAYでは構築した事業プランを多くの起業家・投資家の前でプレゼンしていただくプラン。

A-2:個社の課題に応じた社員育成研修プラン(全3回、10名程度)

B-1:海外派遣を除く半年間の研修プログラムに参加するプラン。

B-2:個社の課題に応じた社員育成研修プラン(全1回、10名程度)

また協賛企業さま以外の一般企業向けにも、研修メニューを提供しています。現在はご相談の都度、個社に応じて設計実施させていただいていますが、大きく2つのカテゴリーに分けることができます。

1:社内の既存リソースを活かした新規事業や、完全な新規事業構築する人財を育成する。

2:批判や愚痴を言うだけでなく、自ら周囲を巻き込んで社内課題を改善していく人財を育成する。

いづれにしても、大事にしていることは、マインドセットや行動や言動のクセ付けです。

・できない理由や言い訳を持ち出して思考停止するのではなく、常にどうしたらできるかを考え続けることができるか。 ・代案なき批判・評論はせず、成果を行動と結果で表現できるか。 ・失敗を恐れて完璧なものを目指すより、失敗を恐れずチャレンジしながら学び成長できるか。

などなど、さまざまな要素を研修期間に気づけるように設計してあります。


アントレプレナーシップを身につけたイノベーター人財の育成が必要な企業さまは、まずはこちらからお気軽にお問い合わせください。


参考

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