AI時代の到来により大きく社会の仕組みが変わっている今、アントレプレナーシップ教育が注目されています。アントレプレナーシップは「自ら社会課題を見つけ、解決案を創造し、実行に移す力」のことです。今回はアントレプレナーシップ教育がなぜ必要なのか、日本の現状と課題を見ていきます。
アントレプレナーシップ教育の必要性
現在、学校教育でも生徒の主体性や表現力を評価する方向に変わっています。では、なぜ従来は対象ではなかった数値化できない主体性などを評価の対象に含めたのでしょうか?それは社会の変化が大きく関係しています。
これまでの工業化が進んだ日本社会では、上司の指示を正確に読み取り、確実に実行できる人材がよしとされてきました。
しかし、今の社会はアントレプレナーシップを身につけた人材を求めています。なぜなら、労働力のAI化が進んでいく社会の中では、急激な社会環境の変化を受容し、新たな価値を生み出していく精神を持った人材が求められるからです。つまり、アントレプレナーシップを身につけることは、未来の社会で活躍する人材になることと直結しています。
今、国を挙げてアントレプレナーシップ教育を推進しているのは、変化の激しい不確実な未来で日本を支え発展させていく人材を育てることに繋がるからです。
日本の現状と課題
文部科学省は2014年から大学に対してアンレプレナーシップ教育実施支援を行ってきました。しかし、現在でも実施大学は全体の3割程度に留まっています。
その原因として、指導者不足が挙げられます。各大学のアントレプレナーシップ教育を実施できる教員の平均人数は1名以下となっており、実施しようとしてもプログラムの整備や改善を行えるリソースがない状況です。その一方で、支援開始当初から実施してきた大学には十分なリソースが確保できている実態もあり、大学ごとに差ができています。
また、大学生の受講率も1%となっており、大学生のアントレプレナーシップへの関心の低さが伺えます。
株式会社FROGSの取り組み
株式会社FROGSでは大学や高校などと連携してアントレプレナーシップ教育を広める活動をしています。学生や社会人に講座を提供するだけでなく、指導者の育成にも力を入れています。高校の先生方に向けて、生徒が探究授業で行う「地域課題解決ワークショップ」の実施に向けたノウハウを提供しています。Society5.0の時代を生き抜くことのできる人財を育成するノウハウをオープンにすることで、SDGsなどの社会課題を解決できる人財を多く輩出することを目的としています。
<実施例>
まとめ
日本でのアントレプレナーシップ教育を広めるには、教育機関での実施を支援するのはもちろんですが、受講する学生側にもっとアントレプレナーシップの必要性や有意性を理解してもらう必要があるかもしれません。そのためには、学校と外部機関とが連携し、学習指導案の中だけでは教えられない視点や考えを学生に教えられる仕組みづくりが急務だと感じました。
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