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3.すべての人に健康と福祉を|SDGs(持続可能な開発目標)から学ぶ、5歳まで生きられない子ども達と課題解決のための取り組み3選


世界的に活動がされているSDGsですが、いまいちどのような内容なのか分からないといった声も少なくありません。


そこで今回は、SDGs17の目標の1つである目標3「すべての人に健康と福祉を」についてご紹介します。

 

持続可能な開発目標・SDGsとは

SDGs(持続可能な開発目標)とは2015年に行われた国際サミットで採択された目標で、「エス・ディー・ジーズ」と読みます。


SDGsを簡単に説明すると、「未来のために、世界にある課題を地球人全員で協力して、解決していこう」という目標です。

その目標には解決するべき社会課題が17の目標と169のターゲットとして掲げられており、国際サミットでは2030年までに、その17の目標を達成しましょうと発表されています。


こちらがSDGsで掲げられている17の目標です。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレをみんなに
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsの17の目標や169のターゲットについて別記事で詳しくまとめましたので、気になる方は先にこちらからご覧ください。


 

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」とは?

今回は、SDGsにある17の目標のうち目標3の「すべての人に健康と福祉を」について詳しくご説明します。


ではまず始めに、目標3の「すべての人に健康と福祉を」のターゲットから具体的な社会問題と解決方法をご紹介します。



SDGs 目標3:すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

3.1 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。

3.2 全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。

3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。

3.4 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。

3.5 薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。

3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。

3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスを全ての人々が利用できるようにする。

3.8 全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。

3.9 2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。

3.a 全ての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。

3.b 主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特に全ての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。

3.c 開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。

3.d 全ての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。


 

目標3「すべての人に健康と福祉を」の重大課題

みなさん、世界には5歳の誕生日を迎えられず亡くなってしまう子どもや赤ちゃんが約530万人もいるのをご存知でしょうか。


ユニセフの報告書によると2018年には5歳未満で亡くなった子どもの数は530万人で、さらにその約半数が生後1カ月以内に亡くなっています。


特にアフリカやサハラより南の地域では、13人に1人の子どもが5歳未満で亡くなっています。


子どもの死亡率を途上国と日本で比較してみると、なんと途上国の5歳未満児死亡率は日本の44倍です。


また、途上国では子供だけでなく、妊娠中あるいは出産時に亡くなってしまう女性の数も問題に取り上げられています。2017年には29万人以上の女性が妊娠中または出産時に亡くなっています。

このように途上国で多くの子ども達や妊婦が亡くなる理由には、肺炎、下痢、マラリアなど家庭でも予防可能な病気も多くの原因になっています


ユニセフの最新の推測によれば、毎年280万人の妊婦と新生児が亡くなっており、時間に例えると、11秒に1人が命を落としているのです。

その結果にユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアはこう語っています。

「世界のどこでも、出産は喜びを分かち合う機会です。しかし11秒に1回の割合で、出産が家族の悲劇となっているのです。出産時に母親と新生児をサポートする専門技能を有する保健・医療従事者の立会いや、清潔な水、十分な栄養、基礎的な医薬品やワクチンがあるかどうかが、生死の結果を逆転させるのです。尊い命を救うため、国民皆保険制度への投資に必要なすべてのことに取り組まなければなりません」


 

目標3「すべての人に健康と福祉を」を達成するために行われている取り組み

次に、目標3「すべての人に健康と福祉を」を達成するために行われている取り組みをご紹介します。


NEC(日本電気株式会社)

NEC(日本電気株式会社)では、途上国のワクチン不足だけでなく「誰が」「どのワクチンを」「いつ摂取したのか」の本人確認が適切に行えてないことも問題であると考えています。


それを解決するためにも、指紋認証で誰がどのワクチンをいつ摂取したのか履歴管理を行えるようにするサービス開発に挑戦しています。


ユニリーバ

食品・洗剤・ヘアケアなどの家庭用品を製造、販売する世界有数の一般消費財メーカーのユニリーバでは、自社商品を通じた公衆衛生の指導や啓発をおこなっています。


2018年末までに、10億人以上に正しい手洗いを、8350万人に朝晩歯磨きする習慣を啓発しました。他にも、衛生教育やパートナーシッププログラムをあわせ、清潔なトイレへのアクセスができるようにしています。


住友化学株式会社

住友化学株式会社では、マラリヤなどの昆虫媒介性疾病の制圧を目指しており、マラリヤを保有する蚊から人々を守るために、長期残効型蚊帳を開発し、アフリカやアジア各国へ支援しています。


また、デング熱やジカ熱などの、他の感染症を媒介する蚊の殺虫剤の開発や供給も行なっています。


このように様々な企業が目標3「すべての人に健康と福祉を」を達成するために色んな支援をしています。


私たちはその支援を切らさないためにも、少ない金額でいいので寄付をしてみるなど、自分たちにできることは何か考え行動することが大事です。



 

まとめ

SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」ではあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進するを2030年までに達成することを目標としています。


また、目標3「すべての人に健康と福祉を」の大きな課題として、5歳未満で亡くなってしまう子どもや赤ちゃんが約530万人もいることがあげられます。


その課題を解決するために、石鹸を使い手洗いするなど家庭でもできる感染症予防の啓発や、感染症を媒介する蚊から人々を守ったり、指紋認証でいつ誰かどのワクチンを摂取したかわかるようにするサービスなど世界的に様々なことが取り組まれています。

 

最後に

弊社では国際社会の共通目標「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。

FROGS版SDGsワークショップ

弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。


まず、SDGsについてや、17の目標を子供達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを子ども達に考えてもらいます。


その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。


このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。


2019年1月に行なったSDGs研修では、子ども達メインのワークショップに保護者も混ざって一緒にワークショップを行いました。


そこでは、子ども達、保護者が考える2030年の幸せな世界について議論していました。このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。

また、その様子を沖縄地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。


弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。


参考

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