2020年現在、SDGs達成ゴールまで残り10年になった今、日本でも少しずつSDGsの認知度が高くなってきました。
今回はSDGsへの理解度をさらに高めるためにもSDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を詳しくご紹介します。
SDGsとは?
まず始めに、SDGsとは何なのかを簡単にご紹介します。
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、2015年の国際サミットで国連加盟国193カ国の国々が2030年までに達成しましょうと定めた目標で、日本語では「持続可能な開発目標」と言われています。
SDGsで掲げられている目標には発展途上国から先進国、さらに地球全体の問題まで取り上げられており、それら社会問題を大きく分けた17の目標と、具体的に解決しなければいけない169のターゲットとして分かれています。
こちらがSDGs17の目標です。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレをみんなに
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
今回は、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」について詳しく説明しますので、それ以外の目標にも興味がある方はこちらからSDGs17の目標と169のターゲットをご覧ください。
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」のターゲット
次にSDGs目標7には具体的にどのような課題があるのか、どうやってその課題を解決するべきなのかが記載されているターゲットをご紹介します。
SDGs 目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国の全ての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。
目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」以外のターゲットを知りたいという方はこちらからSDGs17の目標と169のターゲットをご覧ください。
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の課題とは?
SDGs目標7には実際にどのような課題があるのかみていきましょう。
国連連合広報センターの持続可能な開発目標(SDGs)報告2019にはこのように発表されています。
・世界人口の10人に9人は電力を利用可能
・電力を利用できない8億4,000万人のうち、87%は農村部に暮らしている
・エネルギー最終消費に再生利用可能エネルギーが占める割合は17.5%
・30億人は、クリーンな調理用燃料と技術を利用できていない
・2010年ー2016年のデータによると、1ドルの経済生産を得るために必要なエネルギーは平均して毎日2.3%減少
上記の発表にもあるクリーンな電力を利用できない30億人は、薪や炭を燃やして料理などをしています。
薪や炭を日常的に使用するということは、毎日汚れた空気を吸いながら生活を送っているということです。
さらに、貧しい人々は夜に明かりを使うことができずに仕事や勉強ができません。途上国では街灯の下で勉強をする子どももいます。
また、ユニセフからは世界人口の5人に1人の約12億人以上が電力を利用することができていないと発表されています。
さらに、クリーンな電力を使用できない人たちは、屋内に汚染された空気によって400万人以上が早死にしています。
このように世界で安全性にかける電力を使っている国を助けるためには、再生可能なエネルギーやそれを使用するためのインフラ整備のための支援をしなければなりません。
そのためには、これまで世界中から4,000億ドル支援していたのを2030年までには1兆2,500億ドルまで増やす必要があると言われています。
クリーンなエネルギーとは?
安全性が低いエネルギーを使用している地域を助けるためにも、私たちがこれからも安全な世界で暮らし続けるためにも、クリーンなエネルギーを使用しなければいけません。
それでは次に、再生可能なクリーンエネルギーとは何なのかについてご説明します。
化石エネルギーとは?
化石エネルギーとは、現在エネルギーの主力となっている石油、石炭、天然ガスなどを化石エネルギーと言います。
化石エネルギーは18世紀の産業革命以降、人口の増加や産業の発展により急速にエネルギーの消費が増えています。
また、今後も途上国の経済成長によりさらなるエネルギーの消費が必要です。
しかし、化石エネルギーは資源に限りのあるエネルギーです。このままの速度で消費し続けると100年後にはほとんど使い果たしてしまうと予測されています。
また化石エネルギーにより発生する二酸化炭素が原因で、地球温暖化や気候変動がさらに深刻になっていきます。
再生可能エネルギーとは?
化石エネルギーに対し、再生可能エネルギーとは太陽光、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネルギーのことを言います。
これらのエネルギーはどれだけ使用しても資源を再生することが可能なエネルギーで、化石エネルギーのように二酸化炭素を発生することもないので、環境に優しいクリーンなエネルギーです。
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の取り組み
次に、SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を達成するために企業がどのような取り組みをしているのかご紹介します。
独立行政法人 国際協力機構 JICA
JICAではSDGs目標7を達成するために下記の取り組みを行なっています。
開発途上国における安定的な電力供給とアクセスの向上、そして低炭素社会を実現するため、JICAは3つの“L”を掲げ、低廉(Low-Cost)、低炭素(Low-Carbon)かつ低リスク(Low-Risk)をバランスよく満たすことを目指しています。3Lの原則の下、以下の4つの柱を軸に、有償資金協力、無償資金協力、技術協力、民間連携事業など総合的に組み合わせ協力プログラムを展開します。
エネルギーアクセスの向上
1)未電化人口が多い国(サブサハラアフリカ等)や2)島嶼国等のエネルギーの確保・供給に困難性を有する国・地域を中心に、アクセスの向上に向けた協力を実施します。この際、各国の所得水準に応じた適切な電力価格に配慮しつつ、可能な限り低炭素技術を活用します。
成長のためのエネルギー供給量の増大と信頼性向上への取組み
電化率は比較的高いものの、一人当たりの電力消費量が依然低い国を対象として、更なる電源と系統システムの拡充、そして停電率や電力ロス率等の改善に向けた取り組みに協力します。これらの取組みは民間事業者の参画の余地も大きいため、政策・制度面等の協力を通して民間投資を促進します。
低炭素化を含む気候変動対策の推進
1)温室効果ガスの排出量が多い国、2)エネルギー効率の低い国、3)今後温室効果ガスの排出増が見込まれる国を中心に、気候変動対策に向けた協力を展開し、再生可能エネルギーの導入、省エネを含めた効率化を促進します。また、新技術の開発・導入を促進すべく科学技術協力を戦略的に推進します。
長期的な人材育成
エネルギー政策、低炭素技術(地熱、水素)にかかる留学プログラムを展開し、長期的な人材育成を図ります。
独立行政法人 国際協力機構 JICA 資源・エネルギー より
株式会社未来電力
株式会社未来電力では、SDGs目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」の達成にのために、「バイオガス」という生物の排泄物、有機質肥料、生分解性物質、ゴミなどをメタン発酵させ再生可能エネルギーを発電する事業に取り組んでいます。
まとめ
世界では5人に1人の約12億人以上が電力を利用することができておらず、さらに、安全な電力を使用できない人たちは、屋内に汚染された空気によって400万人以上が早死にしています。
そのためにも、私たちは環境汚染にもつながる化学エネルギーではなく、環境に優しい再生可能エネルギーを推進し、途上国でもそれらが使えるようなインフラ整備の支援などが行われています。
最後に
弊社では国際社会の共通目標「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。
FROGS版SDGsワークショップ
弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。
まず、SDGsについてや、17の目標を子供達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを子ども達に考えてもらいます。
その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。
このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。
2019年1月に行なったSDGs研修では、子ども達メインのワークショップに保護者も混ざって一緒にワークショップを行いました。
そこでは、子ども達、保護者が考える2030年の幸せな世界について議論していました。
このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。
また、その様子を沖縄地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。
弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。
参考
国連連合広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)報告2019
独立行政法人 国際協力機構 JICA 資源・エネルギー
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