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SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の具体的な課題と対策について


今回はSDGsの数ある目標の中でも、目標13「気候変動に具体的な対策をについて詳しく説明します。

 

SDGs17の目標とは

SDGsとは2030年までに世界中のみんなで協力してより良い社会を作りましょうと国連で定められた目標です。


その目標には社会課題を大きく分けた17の目標が存在しており、今回はその目標のうちの目標13「気候変動に具体的な対策を」にフォーカスした内容をお届けします。

また、SDGs17の目標にはさらに社会課題を細分化した169のターゲットも定められています。


SDGsに掲げられている17の目標と169のターゲット全てを知りたい方はこちらからご覧ください。


こちらがSDGs17の目標です。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレをみんなに
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう


 

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」のターゲットとは?

それでは次に、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」のターゲットをご紹介します。



SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

13.1 全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。

13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。

13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。

13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。

13.b 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。
※国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が、気候変動への世界的対応について交渉を行う一義的な国際的、政府間対話の場であると認識している。


 

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」からみえる、世界規模の問題とは?

次に、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の世界で深刻とされている問題をご紹介します。


国連連合広報センターの持続可能な開発目標(SDGs)報告2019にはこのように発表されています。

・2018年の地球の平均気温は、産業革命前の平均気温を1℃上回る

・気候・地球物理関連の災害による死者数は、1998年から2017年までに130万人に上ったと推計される

・2017年のデータによると、大気中の二酸化炭素濃度は産業革命前の水準の146%に
※地球温暖化を1.5℃に抑えるためには、2030年までに世界全体の炭素排出量を2010年水準の55%に引き下げるとともに、2050年までに正味排気量をゼロにするよう、急激な削減を続けることが必要

・186の国と地域がパリ協定(気候変動に関する国際的枠組み)を批准

・全世界の気候変動対資金が対2013年〜2014年で17%増額されたにもかかわらず、化石燃料への投資は気候変動対策への投資を依然として上回る

他には、2015年に発表された同じく国連連合広報センターの持続可能な開発のための2030アジェンダ採択 -- 持続可能な開発目標ファクトシートではSDGs目標10の下記の社会課題が問題であるとされています。

目標13:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
・人間の活動による温室効果ガスの排出は、気候変動を引き起こしながら増大を続けています。現在の排出量は、史上最大の水準にあります。全世界の二酸化炭素排出量は1990年以来、50%近く増えています。

・大気中の二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の濃度は、少なくとも過去80万年で例を見ない水準に達しました。二酸化炭素濃度は、第1に化石燃料からの排出、第2にネット土地利用変化からの排出により、産業革命以前に比べて40%上昇しました。海洋は人為的に排出された二酸化炭素の30%を吸収しているため、海洋の酸性化も進んでいます。

・過去30年間を10年ずつに区切ると、地球の気温は1850年以来のどの10年間の記録も更新し続けています。北半球では、1983年から2012年までの30年間の気温が、過去1,400年のどの30年間よりも高かったと見られています。

・1880年から2012年にかけ、地球の平均気温は0.85℃上昇しました。このまま放置すれば、地球の平均気温は21世紀を通じて上昇を続け、今世紀だけで上昇幅は3℃に達する可能性が高く、熱帯、亜熱帯を含む地球の一部地域では、それよりも大幅な気温上昇が生じると見られています。最も大きな影響が及ぶのは、最も貧しく、社会的に最も弱い立場に置かれた人々です。

・19世紀半ば以来の海面上昇は、それ以前の2千年紀の平均を超えるペースで進んでいます。1901年から2010年にかけ、地球の平均海面は0.19〔0.17~0.21〕メートル上昇しています。

・1901年から2010年にかけ、温暖化により氷が解け、海洋が拡大した結果、地球の平均海面は19 cm上昇しました。北極の海氷域は1979年以来、10年単位で縮小を続け、各10年当たり107万 km2の氷域が失われています。

・多様な技術的措置と行動の変化により、産業革命以前と比べた世界の平均気温の上昇を2℃に抑えることはまだ可能です。

・今後数十年間のうちに、各国政府が定めた2℃という温暖化目標を66%以上の確率で達成するための緩和手段は、数多くあります。しかし、追加的な緩和策を2030年まで延期すれば、21世紀中の温暖化を産業革命以前との比較で2℃未満に抑えるための技術的、経済的、社会的、制度的課題は、はるかに大きくなるでしょう。

近年、特に問題になっている気候変動には、人為的要因と自然的要因の2つがあります。


人為的要因は、主に私たち人間の経済活動で排出される二酸化炭素が原因となっています。


自然的要因には、大気と海水、海水と海洋による相互作用や、火山の噴火、太陽活動の変化など人には止められようのない自然的な現象が原因です。


気候変動の主な原因のうちの一つ、人為的要因を少しでも減少させるため、2015年フランス・パリで行われたCOP21では世界的な平均気温上昇を産業革命前(1880年)と比較して2℃以下に抑えることを目標とし、1.5℃以下に抑制することを努力しましょうという「パリ協定」が採択されました。


また、地球温暖化は海面の上昇とも深く関係しています。


南太平洋に浮かんでいる世界で4番目に小さい島のツバルは、世界平均の2倍のペースで海面が上昇しており、このままだと国が海に沈むかもしれないとも言われています。


海面が上昇する原因としては、地球温暖化により北極などの氷が溶けているなどの問題もあります。


北極の氷が溶けているということは、北極に暮らす動物たちは、住む場所が年々なくなり、絶滅の危険にさらされているということです。



 

SDGs目標13の解決に向けての取り組み

最後に、SDGs目標13で発表されている社会課題に対し、企業がどのように取り組んでいるのかご紹介します。


日本航空株式会社(JAL)

JALグループでは、2020年6月に「ゼロエミッション」という長期目標を立てています。


この目標では、2050年度までにCO2排出量の実質ゼロを目指しており、「バイオジェット燃料の開発促進と活用」、「省燃費機材への更新」、「日々の運行での削減」、「排出量取引への対応」の4つの具体的な策を立てています。


JALグループでは、2020年6月に長期目標である「ゼロエミッション」を策定し、2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指します。具体的には、「バイオジェット燃料の開発促進と活用」、「省燃費機材への更新」、「日々の運航での削減」、「排出量取引への対応」の4つを大きな柱とし、CO2排出量の削減を行っていきます。また、CO2排出量削減に向けたマネジメント体制も整えています。

日本航空株式会社(JAL)気候変動への対応 より


東日本電信電話株式会社(NTT東日本)

NTTグループでは、「環境目標2030」という会社独自目標を立てており、「社会のCO2削減貢献量を自社排出量の10倍以上にする」としています。


2018年のNTTが提供する光回線「フレッツ光」などによるCO2削減量は約690万トンで、2017年の時よりCO2の削減量が増加しています。


「環境目標2030」では、「社会のCO2削減貢献量を自社排出量の10倍以上にする」としています。図に示されているように2018年度の自社のCO2排出量は昨年と同等規模の約101万t※でした。一方2018年度の「フレッツ光」等による社会のCO2削減量は約690万tで昨年より増加させることができました。両社の比は約6.8倍で、目標に着実に近づいています。
最終処分率については、撤去した通信設備において高いリサイクル率を維持し、オフィスにおける廃棄物のリサイクルを推進しました。全廃棄物における最終処分率は0.75%となりました。
※他事業社分を含む

東日本電信電話株式会社(NTT東日本) 環境目標2030と実績 より

日本マクドナルド株式会社

世界的に展開しているファストフードチェーンであるマクドナルドでも、環境に配慮する取り組みが行われています。


具体的にLED照明を使う、電源のON/OFFの管理、メンテナンスを定期的に行うなど、私たちの日常でも取り組むことができる対策を行なっています。

プランドメンテナンスシステム
店舗の機器の点検や清掃は従業員が決められたスケジュールに従って実施しています。定期的なメンテナンスが誰でもできるようにカレンダー化され、店長が実施の確認を行います。メンテナンスを定期的に実施することで機械効率を維持し、無駄なエネルギーを削減しています。

設備機器のON/OFF管理(ドットシステム)
店舗の機器、照明類の電源は色分けされたドットシールでON/OFF管理しています。季節はもとより、店舗ごとの営業時間や営業内容によって電源のON/OFF管理を適切かつ確実に行うことで、無駄な電力使用を抑制しています。

LED照明/デマンド監視装置
環境負荷削減効果の高いLED照明を店舗改装時や入れ替え時に合わせて導入しています。また、リアルタイムで使用電力を測定し一定量を超えると警報を発するデマンド監視装置によって、無駄な電力使用を抑制しています。

日本マクドナルド株式会社 エネルギー対策 より



 

まとめ

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」では、主に地球温暖化や海面の上昇など、私たちが経済生活で排出している二酸化炭素も気候変動の要因だとわかりました。


それらを解決するために、地球に優しいエネルギーの活用や開発が行われたり、こまめな節電なども行われています。


私たちも、節電や近い場所へは歩いていくなど環境に配慮をした行動をすることが大切です。

 

最後に

弊社では国際社会の共通目標「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。

FROGS版SDGsワークショップ

弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。


まず、SDGsについてや、17の目標を子供達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを子ども達に考えてもらいます。

その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。

このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。


2019年1月に行なったSDGs研修では、子ども達メインのワークショップに保護者も混ざって一緒にワークショップを行いました。


そこでは、子ども達、保護者が考える2030年の幸せな世界について議論していました。このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。

また、その様子を沖縄地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。

弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。


参考

国連連合広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)報告2019

日本航空株式会社(JAL)気候変動への対応

東日本電信電話株式会社(NTT東日本) 環境目標2030と実績

日本マクドナルド株式会社 エネルギー対策

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