SDGsとは?SDGsの歴史や基礎情報、ワークショップのご紹介について

テレビや雑誌でも特集が組まれるようになった「SDGs(エス ディー ジーズ)」

最近では、学校でSDGsとは何かについて子供達へ教える活動も増えています。


ですが、いまいちSDGsを理解していない、子供達へどのように教えていいか分からないという方も多いのではないでしょうか。


今回は、今注目のSDGsの歴史や目標、ワークショップについてご紹介していきます。

SDGsとは?

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と言います。


持続可能な開発目標と言われても、いまいちピンとこないですよね。簡単に言い換えると、「未来の世界をより良くするために、今世の中にある課題を世界中の全員で協力して、解決していこう」ということです。


SDGsは17のグローバル目標と、169のターゲットで構成されています。また、この目標は、2015年9月に開かれた国連サミットで、国連加盟の193カ国の首脳たちが2016年から2030年までの15年間で、世界中にある問題を解決するために掲げた国際社会共通の目標でもあります。


SDGsの成り立ち

SDGsができる前にMDGsという前身があるのはご存知でしょうか。また、「開発目標」という視点から見た時には、1960年代からの歴史があります。今回はその歴史を細かくご紹介しながら、SDGsがどのように成り立ったのかをご説明します。


1960年 国連開発の10年

1961年アメリカのケネディ大統領の提案に基づき、国連総会で宣言されたのが「国連開発の10年」です。初めて国際的に南北問題の解決へ取り組んだこととしても有名です。


この時代の国連総会では、途上国が発展するためには、一次産品輸出に依存した経済構造と供給側の硬直化からの脱却が必要だと考えられていました。


経済構造を改善し、途上国全体の経済成長率を、年率5%向上させることが目標でした。そのため、発展には必須条件で、外部経済効果もあるインフラ部門への大規模な支援が行われていました。


このような支援のおかげで、途上国の経済成長率は達成しましたが、国民1人あたりの成長率は人口増加率の影響により2.5%という、先進国の1人あたりの成長率3.8%よりはるかに低く、南北間の経済格差は拡大し続けていました。


1970年 第二次国連開発の10年

1960年代に行われた国連開発により、経済を豊かにするだけでは貧困削減には不十分であるという認識が広まり、経済成長至上主義の開発戦略に反対意見が多くなりました。


それにより、1970年代には、雇用を増加させるような支援や、社会全体で出た増加分の資本・取得を貧困層へ有利になるように再分配するという「成長からの再分配」戦略が提案されました。


さらに、人間としての生活に最低限必要とされる、衣食住や医療・教育を充たすための支援が中心的に行われました。


また1973年の第一次石油危機をきっかけに、途上国が北の裕福な国が南の貧富な国を支配するという歴史的につくりあげられた国際関係の変革、「新国際経済秩序(New International Economic Order: NIEO)」を求めました。


他にも、石油危機、公害問題により、「持続可能な成長」や「環境に順応する成長方法」に関心が向けられるようになりました。


1980年 第三次国連開発の10年

1980年代には、世界的な景気停滞、商品価格の低下、さらにアメリカの高金利政策などの影響で、途上国は金利負担額が増加し、対外債務の返済が困難になるという「累積債務問題」が起きました。


そのため、これまでの貧困撲滅などの支援が中心だったものが、国際金融システム破綻の危機である累積債務問題への対応が緊急かつ最重要課題となっていました。


また、途上国の発展が軌道に乗らないのは、政府主導の市場主義経済が中心となっていたことが原因ではないかという意見が多くなりました。それにより、市場そもそもの仕組みや民間の活力を上げることが発展する鍵だとされていました。


1980年代の支援方法は、世界銀行、IMF(国際通貨基金)という国際的融資機関が主導となり途上国に経済構造または経済政策に関する改革案を行うことが主に行われていました。


具体的には市場開放、規制緩和という新自由主義的政策を行い、自国の得意分野の生産に特化し、他は貿易に頼ることで、より効率的に得意分野の生産ができるという「比較優位」を促し、輸出を増加させようという策でした。


しかし、途上国の輸出は停滞するばかりで、資本流入はマイナスとなり、成長回復することなく、貧困が増加しました。のちに「失われた10年」 と呼ばれるようになりました。


それにより、国連児童基金 (United Nations Children’s Fund: UNICEF)は、1987年に経済成長の復興と、傷つきやすい人々(子供、妊娠した女性、幼児をかかえた母)に対する保護を結びつけて政策する必要性があると強調しました。


この批判を受け、世界銀行は構造調整計画に貧困対策や社会セクターへの融資を組み込むようになりました。


1990年 第四次国連開発の10年

1980年代にアジアNIES以外の途上国の経済状況が悪化したことにより、再び貧困問題が重要な開発課題として認識されるようになりました。また、1990年代に初めて開発援助の目的に国際社会の平和と安定が挙げられました。


さらに、同年代では、開発における制度・組織管理の重要性が注目されるようになり、途上国の経済発展のためには市場に代わる、または市場を補う制度・組織が必要であると主張されました。


市場と政府は互いに補い合うものであり、政府は市場のために、やるべきことをきちんと実施しなければならない、という認識が広がったのもこの時代からです。


2000年 MDGs (Millennium development Goals:ミレニアム開発目標)

これまでの流れを受けて、2000年9月にSDGsの前身であるMDGsが採択されました。


2000年9月には、147の国家元首を含む189カ国の加盟国代表が、21世紀の国際社会の目標として、より安全で豊かな世界づくりへの協力を約束する「国連ミレニアム宣言」を採択しました。


この宣言と1990年代に開催された主要な国際会議やサミットでの開発目標を一つにしたものが「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)」です。


MDGsは国際社会の支援を必要とする課題に対して2015年までに達成するという期限付きの8つの目標、21のターゲット、60の指標を掲げていました。


こちらが8つの目標です。

1.極度の貧困と飢餓の撲滅
2.初等教育の完全普及の達成
3.ジェンダー平等推進と女性の地位向上
4.乳幼児死亡率の削減
5.妊産婦の健康の改善
6.HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
7.環境の持続可能性確保
8.開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

これらの取り組みにより、1日1.25ドル未満(約130円)で生活する人々の割合が半減し、小学校の男女の就学率がほぼ同数になり、2000年から2014年までに世界の新規HIV感染者数は約35%減少するなど、多くの分野で発展がありました。


しかし、サハラ以南アフリカなどの脆弱国と言われる国々での達成状況はよくありませんでした。また、世界的な問題として気候変動が深刻化し、国際社会の様々なフォーラムの中で何度も議論されていたことから、SDGsではそれらをすべて集約したものが発表されました。

SDGsの取り組み

途上国の経済問題を解決しようと発足した「開発目標」から、貧困削減や、多様性など経済の発展だけではなく、社会をより良くするためにどう世界が変化すべきなのかを記されたのがMDGsです。


さらにSDGsでは、経済面・社会面・環境面の3つの側面全てに対して目標を達成することが求められるようになりました。


実際の17の目標がこちらです。

1.貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2.飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

4. 質の高い教育をみんなに
すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

6.安全な水とトイレをみんなに
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

8.働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

9.産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

10.人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の格差を是正する

11.住み続けられるまちづくりを
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

12.つくる責任つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する

13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

14.海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

15. 陸の豊かさを守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

16.平和と公正をすべての人に
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所より


このように、昔から取り組まれていた途上国の経済をより良くしようという開発目標やMDGsに付け加えて世界全体の社会面、環境面での目標も統合した形がSDGsなのです。


また、この17の目標を2030年までに解決するためには、一人一人の行動や意識の改革なども必要ですが、まずはSDGsという目標が認知される必要があります。


最近では、これからの未来を創る子供たちへSDGsとは何なのか、どのような目標設定がされているのかを伝え、社会課題を認識してもらう活動も広まっています。


次は、SDGsをどのように教えていいか分からない方々へ弊社のSDGsワークショップのご紹介をします。

SDGsを子供達に教える

SDGsについては知ってるものの、どう教えたらいいか分からない方へ弊社のSDGsワークショップについてご紹介します。


FROGS版SDGsワークショップ

弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。


まず、SDGsについてや、17の目標を子供達にも分かりやすく説明した上で2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを子供達に考えてもらいます。


その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。


このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。


2019年1月に行なったSDGs研修では、子供達メインのワークショップに保護者も混ざって一緒にワークショップを行いました。


そこでは、子供達、保護者が考える2030年の幸せな世界について議論していました。このようにFROGSでは、子供と保護者が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。


また、その様子を沖縄地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。


弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。


参考

第2章 開発経済における援助戦略・アプローチの動向とその特徴