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DQ(デジタル知能指数)から学ぶ、プライバシーの扱い方とは?

デジタル知能指数やデジタルインテリジェンスという言葉をご存知でしょうか。


日本ではあまり浸透していないDQ(デジタル知能指数)という言葉ですが、インターネット時代を生きる上で絶対に身につけておかなければならないスキルの1つです。


今回は、DQ(デジタル知能指数)の中でもプライバシーの扱い方について詳しくご紹介します。

 

そもそもDQ(デジタル知能指数)って何?

DQについて知らない方のために、簡単に説明させていただくと、DQとはデジタルインテリジェンスの略で、デジタル知能指数ともいいます。


インターネットが生きる上で必要不可欠となった今、デジタルについてのルールは個人や会社によってバラバラでした。


そのバラバラだったルールを、インターネット時代における世界共通の身につけておくべきスキルとして、デジタルによる教育や文化の向上をめざす国際シンクタンクDQ Instituteが他の団体と連携し、発表されたのがDQ(デジタル知能指数)です。


DQでは主に「情報リテラシー」「情報モラル」「デジタルスキル」についての必要なスキルが掲げられています。



 

DQ(デジタル知能指数)で掲げられている8つの身につけておくべきスキル

先ほども述べたように、DQでは「情報リテラシー」「情報モラル」「デジタルスキル」を中心としたインターネット時代に身につけておくべきスキルが掲げられています。


こちらがDQで必要だとされている8つのスキルです。

プライバシーの扱い
自身や他人のプライバシーを守るために、オンラインに共有される全ての個人情報を分別を持って管理する能力

批判的思考
オンラインにて、情報が真実か虚偽か、コンテンツが無害か有害か、人とのつながりが信頼できるものか怪しいものか、区別する能力

デジタルでの足跡
デジタル世界の性質やそれらの現実世界での帰結を理解し、責任を持ってそれらを管理する能力

デジタルでの共感
オンラインにて、自他のニーズや感情に対して、共感を示す能力

サイバーセキュリティの扱い
強力なパスワードを使うことで自身のデータを守り、様々なサイバー攻撃を管理する能力

ネットいじめの扱い
ネットいじめの状況を検知し、それらに賢く対処する能力

スクリーンタイムの扱い
画面を見ている時間や並行作業、オンラインゲームやソーシャルメディアを、自制心を持って管理する能力

デジタル市民のアイデンティティ
オンラインとオフラインにて、健全なアイデンティティを誠実に構築・管理する能力

今回はその中でも、プライバシーの扱い方を中心にご紹介します。



 

インターネットでのプライバシーの危険性とは?

インターネットが当たり前になり、誰もがSNSで情報を発信できるようになった現代では、自分や他人のプライバシーをどう守るかしっかり学ばなければいけません。


現在では、インターネットの匿名性を利用した人権侵害、個人情報や誤った情報を発信する人が増加しています。


インターネットで一度発信された内容は、すぐ拡散され、ネット上でその内容を完全に消すことは簡単ではありません。


拡散されてしまった内容は、不特定多数の人たちに、知られたくない個人的な情報を知られるという可能性が高く、情報拡散されてしまった人の尊厳や社会的評価を低下させてしまうなど、大きな損害を与えられます。


さらに、このような人権侵害は、名誉毀損等の罪に問われることもあるので、自分自身は悪用するつもりがなくても、加害者になってしまった、ということがないようにしなければなりません。


2019年に法務省で調査されたインターネットを利用した人権侵犯事件の数は1,877件でした。


その中でも、特定の個人の根拠もない噂や悪口を書き込み、書き込まれた人の社会的評価を低下させるといった名誉毀損に関する内容や、個人情報などを無断で掲載するといったプライバシー侵害に関する内容が約8割を占めています。



 

安易なSNS投稿から起こる危険性

それでは次に、安易にSNSを投稿することによってどのような危険性があるのかをご紹介します。


「旅行に行ってます!」の投稿により、空き巣被害が増加

英国の番組で過去に「空き巣」だった方々50人に行ったアンケートによると、78%の人がSNSをチェックしており、70%の人が狙いを定めた家をGoogleトリートビュー(マップで指定した場所の風景を見られる機能)で確認していたそうです。


現代では、空き巣の人にとって「旅行に行ってます!」という内容の投稿は格好の餌食になっているのかもしれません。


旅行の楽しい思い出をタイムリーに投稿したい気持ちも分かりますが、自分自身を守るためにも時間差で投稿するなど工夫をしたほうがよさそうです。



子どもの写真が児童ポルノに使用される!?

可愛い我が子の写真をみんなに見せたいという気持ちから、子どもがお風呂に入っている写真やお尻などが見える写真がSNSでは見かけられますが、そのような写真は、異常性癖者を対象とした児童ポルノに悪用される可能性もあります。


何でもシェアする前に一度、本当にこの投稿をして大丈夫なのか考えることも必要です。




自分の居場所から個人情報が特定される!?

SNSでは、お友達とカフェでランチしている写真だったり、遊びに行っている写真など、今現在自分自身が行っていることをタイムリーに投稿することもあるかと思います。

さらには、自宅が特定されてしまうような写真を投稿してしまう方も、いるかもしれません。


そのような投稿は、多くの人に自分自身の居場所が知られてしまうため、位置情報から個人情報が特定される可能性もあります。


情報を発信する前に、個人情報が記載されていないか、写り込んでいないかなどを確認してから、投稿しましょう。



こちらは、DQ Instituteがプライバシーを安易に拡散することの危険性を分かりやすく、子どもでも理解できるようアニメーションで説明しています。


英語での会話になっていますが、アニメーションで理解できる内容になっています。



 

DQ(デジタル知能指数)から学ぶプライバシーの扱い方とは?

このように、インターネットを使用する上でプライバシーの扱い方を知らないということは、自分自身を危険にさらす可能性や、加害者になってしまう可能性もあります。


しかし、インターネットが当たり前の時代において、プライバシー保護のためにSNSを使わないというのは難しい選択です。


それでは、インターネットやSNSを使う上で何に注意したらいいのでしょうか?


位置情報や、知られたくない個人情報が特定される写真を投稿しない

何か写真や情報を発信する際は、他人に知られたくない情報が写り込んでいないか、記載していないかをちゃんと確認しなければいけません。


特に、スマートフォンでは初期設定の中に写真撮影時にExif(イグジフ)という撮影場所の情報を含んだデータを写真に埋め込むという設定がされています。


主要のSNSで写真を投稿する際は、その初期設定をOffにせずとも、サービス側で位置情報が削除され投稿されているのですが、気になる方は設定をOffにした方がいいかもしれません。


また、写真に写っている物や背景から場所を特定される可能性もあるので、自宅やその周辺での撮影にも十分気をつけましょう。




他人が写っている写真や情報を勝手にSNSに投稿しない

友人と遊んだ際の写真をSNSに投稿することって多いですよね。


自分は良かれと思って投稿したつもりでも、相手にとっては投稿して欲しくない内容だった、なんてこともあります。


実際に、オーストラリアでは18歳の女性が自分の幼少期のオムツ替えの様子や、トイレトレーニングの様子を勝手にFacebookに投稿した両親を裁判で訴えるというケースも起こっています。


このように、悪気が一切なくても相手からすると、その写真や情報を拡散されることは嫌なことかもしれません。


また、先ほどのケースのような写真が拡散されるということは、児童ポルノのサイトに勝手に使われてしまう可能性もあるのです。


自分以外の人の写真や情報を拡散する場合は、一度相手の許可を得てからにしましょう。




個人情報を簡単に発信しない

インターネットで簡単に誰もが自分自身の情報を発信できるようになり、個人情報も発信しやすい状況になっています。


例えば「〇〇大学に合格しました!」という投稿も、個人情報を発信していると言えます。


その情報をもとに、投稿者の個人情報が次々と特定されてしまうこともあるかもしれません。


また、何か情報サイトやゲームなどにログインするために、自分の個人情報を登録する場合も、本当に安全なサイトなのかを確認せず登録すると、その個人情報が盗まれ、悪用される可能性もあります。


個人情報を発信、登録する際は、本当にそれを行って安全なのか一旦考えてからするようにしましょう。



 

まとめ

DQ(デジタル知能指数)とは、インターネットを利用する上での世界共通で、身につけるべきスキルを掲げています。


その中でもプライバシーの扱い方として、日本では昨年、インターネットを利用した人権侵犯事件の数は1,877件でした。


自分が被害者にも、加害者にもならないために、現在地が特定されるような情報を発信しない、他人の写真や情報を勝手に発信しない、何か情報を発信、登録する場合は一旦考えてから行う、などを徹底しましょう。


 

最後に

弊社ではインターネット時代のリスク管理能力である「DQ」を子ども達へ理解してもらい、どうデジタルやインターネットを使用するべきなのかを考えるワークショップを行なっています。

FROGS版DQ(デジタル知能指数)ワークショップ

弊社のDQワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。


まず、DQについてや、DQで発表されている8つのスキルを子ども達にも分かりやすく説明した上で「自分たちはインターネットやSNS、デジタル機器をどう使用していくべきか」という問いを子ども達に考えてもらいます。

今の自分自身と照らし合わせて、DQのどのスキルは身についてて、どのスキルがまだできていないのかを考えてもらい、身につけられていないスキルを身につけるためにもどう行動していくかを発表してもらいます。

弊社のDQワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。


参考

総務省安心してインターネットを使うために国民のための情報セキュリティサイト SNS利用上の注意点 

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