最近、よく耳にするようになったSDGsですが、SDGsが何のことか説明できる人はそう多くはないかと思います。
今回は、日本でも取り組みが活発になってきたSDGsについて、分かりやすく説明し、日本政府はSDGsに対してどのような施策を打ち出しているのかをご紹介します。
SDGs(持続可能な開発目標)とは?
SDGsとはSustainable Development Goalsの略で日本語では持続可能な開発目標といい、「エス・ディー・ジーズ」と読みます。
たまに「エス・ディー・ジー・エス」と読む方がいらっしゃるのですが、GsはGoalsの略なので「ジーズ」と読みます。
SDGsが日本語で、持続可能な開発目標と言われても、いまいちピンとこないですよね。
簡単に説明すると、「より良い未来を築き続けるために、今ある社会問題を世界中の全員で協力しましょう」という目標です。
社会問題を解決と説明したように、SDGsには国連サミットで2030年までに解決するべき社会問題を大きく17のゴールとして分けています。
その17のゴールには途上国の問題から先進国に関する問題まで、地球上で生きている全員に関係のある社会問題が、解決するべき目標として掲げられています。
こちらがSDGsで掲げられている17のゴールです。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレをみんなに
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
国連サミット加盟国では、これら17のゴールを達成しようと様々な取り組みが行われています。
それでは次に、日本は実際にどのような取り組みを行っているのかをご紹介します。
日本政府が掲げている「SDGsアクションプラン2020」
日本ではSDGs17のゴールを達成するために、どのような取り組みを行っているのかご紹介します。
外務省が発表している、SDGsアクションプラン2020 ~2030年の目標達成に向けた「行動の10年」の始まり~から簡単にご紹介すると、日本は、
一人ひとりが尊厳ある生き方を全うできるような社会づくりや、世界の国づくり、人づくりに貢献することで、国際社会に日本がSDGsの力強い担い手であることを示し、豊かで活力のある「誰一人取り残さない」社会を実現していく
と発表されています。
そのためにも、「ビジネスイノベーション、地方創生、次世代・女性の活躍」の3つの柱を軸として目標がたてられています。
こちらが実際の目標です。
ビジネスとイノベーション ~SDGsと連動する「Society 5.0」の推進~
ビジネス
▶ 企業経営へのSDGsの取り込み及びES G投資を後押し。
▶ 「Connected Industries」の推進
▶ 中小企業のSDGs取組強化のための関 係団体・地域,金融機関との連携を強化。
科学技術イノベーション(STI)
▶ STI for SDGsロードマップ策定と,各国の ロードマップ策定支援。
▶ STI for SDGsプラットフォームの構築。
▶ 研究開発成果の社会実装化促進。
▶ バイオ戦略の推進による持続可能な循 環型社会の実現(バイオエコノミー)。
▶ スマート農林水産業の推進。
▶「Society5.0」を支えるICT分野の研究開 発,AI,ビッグデータの活用。
SDGsを原動力とした地方創生, 強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
地方創生の推進
▶ SDGs未来都市,地方創生SDGs官民連携プラットフォームを通じた民間参画の促進,地方創生SDGs国際フォーラムを通じた普及展開
▶ 「地方創生SDGs金融」を通じた「自律的好循環」の形成に向け,SDGsに取り組む地域事業者等の登録・認証制度等を推進
強靱なまちづくり
▶ 防災・減災,国土強靱化の推進,エネルギーインフラ強化やグリーンインフラの推進
▶ 質の高いインフラの推進
循環共生型社会の構築
▶ 東京オリンピック・パラリンピックに向けた持続可能性の配慮
▶ 「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」実現に向けた海洋プラスチックごみ対策の推進。
▶ 地域循環共生圏づくりの促進。
▶ 「パリ協定長期成長戦略」に基づく施策の実施。
SDGsの担い手としての 次世代・女性のエンパワーメント
次世代・女性のエンパワーメント
▶ 働き方改革の着実な実施
▶ あらゆる分野における女性の活躍推進
▶ ダイバーシティ・バリアフリーの推進
▶「次世代のSDGs推進プラットフォーム」 の内外での活動を支援。
「人づくり」の中核としての保健,教育
▶ 東京オリンピック・パラリンピックを通じた スポーツSDGsの推進。
▶ 新学習指導要領を踏まえた持続可能な 開発のための教育(ESD)の推進。
▶ ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC) 推進
▶ 東京栄養サミット2020の開催,食育の推進。
日本のSDGs達成度合いは?ランキングをご紹介
日本の取り組みが分かったところで、実際に日本はどのくらいSDGsを達成しているのか、国連レポートが発表しているSustainable Development Report 2020(持続可能な開発レポート)を元に世界各国のSDGs達成度ランキングをご紹介します。
それでは早速、世界各国、そして日本の順位をご紹介します。
SDGs達成度合いランキング上位20位 カッコ内はスコアを表しています。
1.スェーデン(84.72)
2.デンマーク(84.56)
3.フィンランド(83.77)
4.フランス(81.13)
5.ドイツ(80.77)
6.ノルウェー(80.76)
7.オーストリア(80.70)
8.チェコ共和国(80.58)
9.オランダ(80.37)
10.エストニア(80.06)
11.ベルギー(79.96)
12.スロベニア(79.80)
13.英国(79.79)
14.アイルランド(79.38)
15.スイス(79.35)
16.ニュージーランド(79.20)
17.日本(79.17)
18.ベラルーシ(78.76)
19.クロアチア(78.40)
20.大韓民国(78.34)
2020年時点での、日本のSDGs達成度は国連サミット加盟国内で17位という結果でした。
日本は、質の高い教育や産業と技術革新の基盤づくり、平和と公正をすべての人に与えるなどは達成できているものの、順位を上げるためには、17のゴールの中でも下記の項目が最重要改善項目だと伝えられています。
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
・女性国会議員の数
目標13:気候変動に具体的な対策を
・再生可能エネルギーの割合
・二酸化炭素(CO2)の排出量
目標14:海の豊かさを守ろう
・水産資源の乱獲・崩壊
目標15: 陸の豊かさを守ろう
・輸入に伴う地上・淡水の生物多様性への脅威
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
・国民総所得(GNI)に含まれる政府開発援助(ODA)の割合
日本がより良い国になるために
日本でも活動が活発になってきたSDGsへの取り組みですが、政府だけが行うものではありません。
日本がより良い国になるためにも、、一人ひとりが意識を変えることが大事です。
特に「ジェンダー、気候変動、海、陸、パートナーシップ」など、今最重要改善項目だと言われていることには、自分には関係のないことだと思わずに、自分なら何ができるだろうかと考えてみることが改善の一歩ではないでしょうか。
この記事をきっかけにSDGsについて考えてくれる、行動してくれる方が1人でも増えていただければ幸いです。
最後に
SDGsの17の目標を達成するためには、一人ひとりの意識改革が必要だと言いました。
そこで、弊社では「SDGs」を子ども達へ理解してもらい、課題をどう解決するかを考えるワークショップを行なっています。
FROGS版SDGsワークショップ
弊社のSDGsワークショップでは、小学校高学年以上の学生向けのグループワーク形式のワークショップを行なっております。
まず、SDGsについてや、17の目標を子ども達にも分かりやすく説明した上で「2030年、幸せな社会とは何か?」という問いを考えてもらいます。
その後、自分たちが求める幸せな世界はSDGs17の目標のどれに当てはまるか、またそれを実現させるには今現在どのような課題があるのか、それをどう解決するかまでを考えてもらい、最後には発表をしてもらいます。
このように今起こっている課題に対して、自分だったらどのように解決するかを考えてもらうことで、課題を「自分ごと」にし、行動を促すワークショップとなっています。
2019年1月に行なったSDGsワークショップでは、子ども達の他に保護者も混ざって2030年の幸せな世界について議論していました。
このようにFROGSでは、子どもと大人が混ざってワークショップを行う研修もご用意しております。
また、その様子を沖縄県地元紙の琉球新報さんがまとめてくださったのでぜひ、こちらからご覧ください。
弊社のSDGsワークショップについて気になった方は、各種研修紹介ページからお気軽にお問い合わせください。
参考
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